夢日記17

魚たちも 泳ぎ手たちも 船も/水のかたちを変える。/水はやさしくて 動かない/触れてくるもののためにしか。

         (ポール・エリュアール「魚」より、安藤元雄訳)

 とても長かった旅行からしばらくぶりに戻り、実家に立ち寄る。家には誰もいないようで、お腹が空いているのだが食べ物も見当たらない。そう言えば冷蔵庫にいつか阿闍梨餅を入れておいたはずだと思い出し、二つ取ってきてそれを食べる。

 妹が部屋から出てくる。数学の問題を問いていたらしい。分からない問題があるので教えてくれと言われる。妹からプリント用紙(何故が古びていて端が破れている)を受け取り、その一番右下にある問題を見る。高校生用の三角関数の問題らしいのだが、そういえばすっかり数学の公式など忘れてしまっていた。それでも分からないと妹に言うのが厭なので、何とか公式を用いずに原始的な方法で解こうとするのだが、いたずらに答えの範囲を狭めることしかできず、たった一つの式になるはずの答えにはついに辿りつかない。それにしてもこの問題の文章は少し変だ。ただ図形で表わせばよいものをいちいち言葉で説明していて、登場人物らしき老人がいて、銀河系の写真に関する彼の夢想が挿入され、彼は自殺したと書かれている。