2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

詩「妻へ(1)」

焼かれながらも人は、そこに希望があればついてくる*1 ── 私の妻はとても醜い。 どう醜いのか、それを上手く話すことはできないのだが、醜いと思わずにはいられない。そのことが私には辛い。 だから妻の醜さを、私は誰かに、下手なりに話さなくてはいけない…

Quiginu#5電話

電話が鳴る度に少しずつずれる。 夜は長いのに 窓は黒いのに 誰もいないのに 窓ガラスの向こう薄っぺらい チェシャーキャットがわらってる ──お客様にお知らせでございます。現在お客様のご使用の携帯電話から放射性物質が検出されました。ZOLLO700系をお使…

詩「白い月」

白い月 海の向こうで戦争があった 戦火は僕の国になんの被害ももたらさなかったけれど 君の事を毟っていった 果てなんて言葉 無意味なほど 切れ間なく続くあの空 陶酔に沈む意識のような白い月が 清く明るい幻想を一瞬 見せてくれていた 君の脳髄を銃弾が駆…

page.04〜チェコ様〜

おひさしぶりです。随分と御無沙汰してしまい、すみません。 桜はいいですね。咲いている間はもちろん、散りゆく姿も散った後も様になるように思います。春の公園、夕暮れと桜なんて素敵じゃないですか。家の近くにないせいか、単に私が出不精なせいか、公園…