archive for ”Ps & Qs” を再公開します。

weblogの編集をお待ちください。

    • 詩交遊泳(1)春鬼編 by 泉由良×クロラ
    • 夢日記 by クロラ
    • 詩交遊泳(2)ギャンブル編 by クロラ×泉由良
    • 激辛正当BOOKGUIDE by 古溝真一郎
    • 交歓日記 by #fffff9
    • キギヌ by 泉由良
    • 想色抄 by セシルときおり泉由良


「Ps & Qs」
「投稿詩 on PQs!」全ラウンド結果

 

火は綺麗

火は綺麗

 クロラ、筆名小倉拓也として第一詩集を白昼社より2010年に出版しました。


 書籍版「Ps & Qs」は完売致しました。

    • section 1     「眼で見る」に寄せる十連作 / クロラ
    • 第2部       (小島基成、瀬尾まなほ、リリィ、トミー)
    • 第3夜       詩交遊泳 春鬼篇 / クロラ×泉由良
    • 4th paragraph   投稿詩 on PQs!
    • 第5夜       詩交遊泳 ギャンブル篇 / クロラ×泉由良
    • Part 6        想色抄 / セシル×泉由良
    • 7 to the last page  Y is for Your Name. / 泉由良

 随筆:激辛正当派BOOK GUIDE


 

        

「Ps & Qs」取扱い書店

お久し振りです。「Ps & Qs」2010年分も無事制作終了し、埼玉県秩父ポエトリーカフェ武甲書店さんにお取り扱いをお願い致しました。近郊の方は、是非お手に取ってご覧になって下さいませ。
東京中野のタコシェさんでも入手可能です。


「Ps & Qs」外の企画ですが宣伝告知です。

企画

詩の投稿企画、「投稿欄MDP」web頁作りました
毎月締切り日を設けることでコンスタントリィに書けるようになろう、という企画です。
自由詩が基本ですが、短篇も字数制限がありますがOKです。
以下URLよりご覧になって下さい、参加エントリお待ちしております!

http://www.necotoco.com/yura/dp/dp.html

謹賀新年

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

「Ps & Qs」は、2009年刷分をほぼ完売し、2010年の分を制作中です。2010年で制作は終了としますので、まだ本誌がお手元にない方は、ブログ、web shop、各地での販売情報などをチェックしていて下さいませ! そして2009年に関わって下さった皆様、お買い上げ戴きました方々、ありがとうございました。

お知らせ

Ps & Qsの親サイト「浮遊区域」がこの度移転しました。

それに伴って、Ps & Qsのトップ頁、白昼社の通販頁も変更致しております。

お手数ですが、ブックマークの登録やリンクなどの変更をお願い致します。

net shopに並びました

net shopからご注文が可能になりました!白昼社のお店はここからです

上記リンクから注文画面に飛べます。PCで閲覧なさっていらっしゃる方は、こちらからご注文下さい、「Ps & Qs」

↓裏表紙。製本完了しました!

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20091101223749

↑広告なんかも入ってます。

もしも、webショップはなんだかイヤだな〜っていう方は、泉由良にメールを下されば融通利きますので大丈夫です。ショップの方が対応が早く出来ますが、携帯電話などからの方は、yuraco07@gmail.comまでどうぞ。

編集部より紹介(4)〜すべては7になる〜

11月3日発売「Ps & Qs」、さてさてざっくりと目次を発表します。

    • section 1     「眼で見る」に寄せる十連作 / クロラ
    • 第2部       (小島基成、瀬尾まなほ、リリィ、トミー)
    • 第3夜       詩交遊泳 春鬼篇 / クロラ×泉由良
    • 4th paragraph   投稿詩 on PQs!
    • 第5夜       詩交遊泳 ギャンブル篇 / クロラ×泉由良
    • Part 6        想色抄 / セシル×泉由良
    • 7 to the last page  Y is for Your Name. / 泉由良

というわけで本文は7章立てです。章の合間の随筆を古溝真一郎(激辛正当派)が執筆、また巻頭エッセイに「文学を紙上にデザインするという事」を現代美術の櫻岡聡が担当しました。結構多くのひとのお陰で出来上がっています。

表紙はこのような感じに。

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土曜には予約注文受付を開始します! 土曜って遅いですかすみません……。

「Ps & Qs」は11月3日発売予定!

編集部より紹介(3)〜夢みる頃は過ぎても〜

「Ps & Qs」発行まで1週間と少しです。他のことに気持ちが奪われそうになりながらも、こちらも最後の追い込みをしています。主に編集部が。ほぼ編集部が。すべての原稿は揃い、後は編集人の印刷力次第です。(ご存知? ここの編集者って自分でしゃーこしゃーこプリントアウトしてるのですよ)

そんななかで、またひとり、執筆陣の紹介をしたいと思います。

名前はトミー。

トミーは今年度社会人1年生になったフレッシュな女の子。昨年編集した女子アンソロ「箱詰め女子」にも参加して貰いました。……でも! 決してあのときの彼女が劣っていたとは云いません。が。今年貰った詩3作の、限りない成長っぷりには目を見張ります。過去の恋愛をモチーフにした、云ってしまえば「大学生の女の子」だったトミーは大きくしなやかに成長しました。「箱詰め女子」のときには真ん中に収録したトミーちゃんを(アンソロジィといえど詩集は勿論バランスを取って配置します。後味は良いように。途中はまろやかであるように、エトセトラ)、今年は社会人一年生or大学生の詩人、書き物陣の最後に収録したのは、一番最後に極上のものを取っておく、編集人の嗜好によります。

女性らしさ、年齢に見合ったしなやかな感受性とそれを表現する去年は無かった切れ味。トミー、「Ps & Qs」第2章の最後の詩人です。読んで下さい!

アンソロジィ「Ps & Qs」は11月3日発売開始です。
ぎりぎりまで告知が出来ていなくて大変申し訳ありません>各所

編集より紹介(1)-収束と発散-

どうも、白昼社編集人です。
10月になりました。
このポエトリィ企画も11月発行予定のアンソロジィ詩集「Ps & Qs」へと加速しています。アンソロ詩誌としての収束、そして読み手側の手に取って戴き広がる言葉たちの発散を期待して、あと1ヶ月、入念に作業を進めようと思っています。それと並行して、このブログにてどんな詩集になるのか? ところどころピックアップしてゆこうと思います。
今回は巻頭に掲載されるクロラ氏の紹介。

◇第1章「眼で見る」に寄せる十連作
      ……クロラ(小倉拓也)
 このアンソロジィの最初に掲載するのは、詩学新人賞受賞詩人、クロラ(小倉拓也)氏の十連作。
 所謂スポークン・ワーズではなく視覚的悦楽を感じる詩を書いて欲しいという編集人の要請にきっちり応じてくれました。「現代詩って近寄り難い」と決して思わせない、と同時に、現代に生きる二十代半ばの詩人との確かな出会いを約束する十連作です。クロラという詩人を既知の読者にも初めて知った読者にも、新たな、そして豊かな情感をお届け出来ると思います。

 この章の挿画(写真)の提供は、こみちみつこ(通称「みち」)氏。動静を具有した彼女の眼でしか写せないと云い切れる見事な写真群です。



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ちなみにこのアンソロは「ピースエンドキュース」と読みます。ご参考に……。

page.06〜チェコさま〜

チェコさま

夏は過ぎ、もうすっかり秋の気配漂うこの頃、如何お過ごしでしょうか。
こちらこそ、随分と間が空いてしまって申し訳ない限りです。

さて、「夏の食べ物」についてでしたね。
私は元々、夏の暑さにはめっぽう弱い性質なのですが、食べ物の話となるとまた別。新鮮な野菜や果物に(また別の意味で)とても弱いのです。夏野菜特有のみずみずしさ、それに合わせて果実のさっぱりとした甘さ。なんと夏らしい。これらのおかげで暑さを乗りきれている(と言えるかどうかはさておき)ようなものです。今年は、父が友人からとびきり新鮮なきゅうりとトマトを貰って来ました。すぐに冷やして、丸齧りで。口いっぱいに広がるきゅうりの青々しい香りとトマトの甘さが舌にうれしくたまりませんでした。胃腸が弱い私ですが、夏くらいは思い切って冷たいものを食べたいものです。京都の暑さに、普段は食べないアイスにも手が伸びたりなんかして。

こうして書いてみると、夏の間はうだってしまって早く終わってほしいと切に願ったりするものですが、過ぎてしまうと意外と夏もいいもんだな、などと思ってしまいます。過去は常に美化されるものなのでしょうか。

そろそろ次にお返事が返ってくる頃には、秋も深まっているかと思われます。食べ物に読書、芸術、スポーツなんてよく言われるものですが、今度はその「秋」について何かひとつお聞かせ願いたいものです。


photo
きゅうりとトマト

「Ps & Qs」last update

詩交遊泳、テーマは「ギャンブル」に始まって第6回、終盤です。

blogから再編集されたwebは以下より!↓

”Ps & Qs” official web

「妻へ(3)」

「妻へ(3)」

狂気の沙汰ほど面白い*1

---


 食べること。
 それがあなたの愛ならば、
 眠ること。
 それを私の美徳としよう。

 私は深くそう思う。


 祈ること。
 それがあなたの退屈ならば、
 飾ること。
 それを私の憎しみとしよう。

 私は努力した。
 そう思いたかったのだ。

   *

 「煮つけ お造り 揚げもの焼きもの
  酢〆 首絞め 鯖折りこぶ〆
  どれもみなよい
  みなどれもよい」

 「小人 讃美歌 住不退転
  両目 片言 三つ目や四つ目
  ないものはあり
  あるものはなし」

 「うたい うたわれ 二人同行
  思慕に 参歩に 浮き沈み歌
  よいものはない
  ないものはよい」

 「ぬめり ぬめられ ふるえる喉笛
  良妻 秀才 からくれない色
  勝つなら負ける
  負けたら勝てる」

 「目玉 目ん玉 鰯の頭
  汁と いがらと 肉と脂よ
  食らわば食らえ
  笑わば笑え」

 「うたへ うたた寝 気づけば焼き場
  肢体 死に体 造るは板場
  敗者の腐敗よ
  死者の不敗よ」

   *


 もうだいぶ前になるが、気まぐれに私は私の腕を食べたことがある。
 萩原朔太郎の「蛸」という詩を読んで、やってみようと思い立ったのだった。
 その行為に、妻に対する嫉妬が無かったと言えば間違いなく嘘になるだろう。

 そして風呂に入り、自作の酷い出来の歌を歌い、寝入り際、私はしみじみと思ったのだった。
 自分の妻に敗れ去ること――さいころを幾度も振って好みの目を出すことのように、とても簡単に思えたそのことが――けれども私がついに成し得なかったそのことが――どれほど私にとって価値のあることだったのかということを。今では繰り返し思うばかりである。

*1:福本伸行『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』より

「Ps & Qs」last update

詩交遊泳、テーマは「ギャンブル」に始まって第5回をアップ。

blogから再編集されたwebは以下より!↓

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詩「目玉」

目玉

怒れる男は赤い目をしている
赤い目は壱を意味するため
さいころを振れば勝ちがくる
そういう仕掛けだった

眠れる女は青い血をしている
青タンが三枚揃えば再び勝ちがやってくる
そのため男は女の血を塗りたくっていかさまをした
女なら分かってくれるだろうと思ったのだ

眠れる女が目を覚まし
傷付けられた乳房と溢れた青い血を知る
男の手にしている短刀を見つける
女よ、怒れ
怒ればお前の目が赤くなる

そうやってまた壱を揃えようとしているのか
赤い目二つ、赤い目四つ、赤い目八つ、ひゃく三つ
青い目五つ 青い目九つ 青い目三つ あとは無し

抉り出せ、怒れるいかさま師
滲み抜け、青い血の末代まで
目玉を抜かれ硝子玉が押し込まれ黒い闇落ちるその日まで


夢日記20

鳥の黄色い/嘴のように固い/口笛が/ひろげた傘の中で反響して/とても重苦しくて/朝の気分を/タイヤのように踏みにじっていく//丘の頂上に水牛があらわれて/大きなあくびをしている/ぼくはあふれかえるくしゃみを/噛み殺して歌を歌った 
(西岡健太郎「朝の気分」より)

 雨が降り続けている。僕は三階建てのレストランの二階にいて、窓の外を眺めながら夕食をとっている。そこは昔横浜で祖父と祖母がやっていた店だ。

 辺りは薄暗く、テーブルを囲んでいるのは、顔が灰色の影になった家族たち。向かいの雑居ビルには微かな人の気配があり、こちらを覗いているような気がする。

 僕たちの後ろのテーブルでは、別の家族たちがやはり静かに食卓を囲んでいる。雨の影響で、段々と建物が浸水してきている。すでに一階は水で埋められ、奥手の階段を昇ってまもなく水は二階までやってこようとしている。

 床を流れる水の音がさらさらと聞こえた瞬間、家族たちはすみやかに立ち上がり三階を目指す。食事は切り止め、僕もその後を追う。そのすぐ後ろをもう一組の家族が追いかけてくる。

 赤いゴムの滑り止めがついた階段を早足で駆け上がり、鉄製の重いドアを勢いよく閉める。僕たち家族はなんとか間に合って後続の家族たちを閉め出すことができる。

 しかしその鉄のドアは、下三十センチほどが薄い曇りガラスで出来ていて、その隙間から上目遣いでこちらを覗いている恨めしげな目が見える。僕は恐怖を感じることがない。自分の家族も置き去りに、さらに階段を昇り屋上を目指す。

「Ps & Qs」last update

新登場、古溝真一郎氏によるブックガイド
「激辛正当BOOKGUIDE」がスタート。

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