詩「立ち枯れ、後」

立ち枯れ、後

それが、やさしいはずはない
水を浴びせられる植木のように
つんと上を向いて待っている少女


断ち切られる黒い髪は
むなしく踊るように落ちる


床とは、
ただあたりまえの木目


その上に生卵を置く
殻を割って中身を置いた
黄身と白身がとろんと拡がる
私は確かに置いたのだ

君、もしくは闘争の日々よ
アイロニーは完全に優しく、吐息を包むだろう
皮膚のように、君の肉を包むだろう
夢のように、私たちの日々を包むだろう


戦いの疲れはこの不確かな卵と散乱した髪
二人の部屋の中では誰もその混合物を名づけられない
二人はけしてやさしくはない
ただ薄煙のように、部屋だけがやさしい