2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

Quiginu#001三日月

無自覚な理論 / 不正確な夢 / 痛む古傷 / 微笑む三日月 深爪しても/ 三日月 / チェシャ猫の笑い / その形は三日月

詩「曇りの部屋」

曇りの部屋 やさしくして ねえ、やさしくしてください 切ってください わたしの髪を切ってください あなたの髪を切らせてください 茹で卵を作って、わたしに運んでくれますか 灰色の雲はいつからこの部屋のうえに 藍色の隘路にまつわるアイロニィは ねえ、と…

詩「白い、」

白い、 真夜中 色温度の低い蛍光灯の下 嘔吐く 偽物の明るさの中 肺から込み上げるのは白い何かばかりで 私はうまく考えられない (昔から 白 は嫌いだった) 透き通れない悲しみが 白濁したエゴが それでも何か もっと素敵なものになりたくて 私の肺を灼い…

詩「幽鬼」

幽鬼 ユウキ―― 彼女はつつましく ゆがんでいく カレンダーの確かな進みを 阻害するだろう (――今日が何曜日か分からない…) 性急にふしだらで 明瞭なコトバのように アップテンポで 二人の髪をすりつぶす愛 (――羅生門の老婆のように…) 彼女との日々は 公共…

page.03〜#fffff9さま〜

柑橘類の写真、ありがとうございました。オレンジだとか種類を特定しても良いかも知れないのだけど、ただ象徴的な柑橘類、と思う写真ですね。 この前チェコも写真を撮りにいきました。桜は散りかけで花びらが風にのって吹き付けました。風は冷たいのに桜は温…

夢日記22

ぼくは友だちに言う/すばらしいことはみんな夢の中で起った/ぼくらはそれを思い出せないで暮らしている/一篇の詩/ぼくらの苦しみでは創り出せない詩/それを思い出そうとしてぼくは歩いている/ぼくの沈黙を許したまえ と (辻征夫「沈黙」より) 蕎麦屋…

詩「霊花宴」

霊花宴 花見客の一群がよい心地になって唄を歌っている そこから遠く外れて離れ 川べりの道を永く永く歩いた 水が空を映す 春の空を映す やわらかな薄紅色の花弁が流れゆく 溺れもせずに 溺れもせずに何処までも 流れゆく 川べりの道は春の重箱 桜はまるで干…

詩「春鬼」

春鬼 (テーマ提出:泉由良) ※1 願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ ----- ※2 そのとき 人類は虫になってしまったそうだ ひとりの人の脳の中で (もはやそのように思うのは心ではなく脳であろう) ----- いつかの四月のお花見の頃 例えば…

page.02〜#fffff9より〜

こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。交換日記は小学生以来なもので、ちょっとうきうきしているわたしです。 レモン哀歌、懐かしいですね。高校の国語の教科書に載っていました。せつなくも美しい、純愛。みずみずしい文章も、とても好き。「トパアズい…

page.01〜#fffff9さま〜

日記の始まりは私からです。これからよろしくお願いします。 私の名前はチェコとしておきます。何故かというと、これから私はあなたに色々なお願いをしようとしているにあたって、2009年の高村智恵子のようになりたいと思うのです。といって伝わるのかな? …

夢日記14

ぼくの夢は普通戯画的な秩序に従っているとぼくは言った。夢はぼくを告発する。ぼくの性質にあって修正不能なものをぼくに教えてくれる。ぼくの改めようとしない体質的欠陥を強調してくる。それはぼくもうすうす感じていたものだ。夢は、行動や寓話や談話の…