詩「ギャンブル」

ギャンブル(テーマ提供:クロラ)

東あれ
だからそちらが東となった
赤であれ
そして賽子の目は壱が出た
そうして勝ち上がってきたのさ、と
彼は乾いた笑みで見下す
この勝負に負けていたら
おまえはいなかったのさと云う

笑い男、の飼っているサカナ、に水銀の飴、を与え、服従する者たち、の、従順さに立腹して、燃える復讐心、は、けれどもなんと苦い、と、思った途端に咽の奥から、微かな鉄のあじ、不服従

勝負するなら今宵がいい
賭けをするなら寝床がいい
相手にするならおまえがいい
どちらが嬲るかなど
とうに決まっている、そうだろう?

黍酒と麦酒のどちらかえらべ
黒い苺と赤いチェリィどちらかえらべ
運勢、天命、流星群
この勝負に負けるのならば
お前もまた無いと同じさとわらう

並ぶ選択肢、に群れる賭博屋たち、を、見下す笑い男、に服従する者たち、の、従順さに立腹、して復讐を誓い咬んだ唇、の、端が裂けて広がる鉄のあじ、不服従