詩「目玉」

目玉

怒れる男は赤い目をしている
赤い目は壱を意味するため
さいころを振れば勝ちがくる
そういう仕掛けだった

眠れる女は青い血をしている
青タンが三枚揃えば再び勝ちがやってくる
そのため男は女の血を塗りたくっていかさまをした
女なら分かってくれるだろうと思ったのだ

眠れる女が目を覚まし
傷付けられた乳房と溢れた青い血を知る
男の手にしている短刀を見つける
女よ、怒れ
怒ればお前の目が赤くなる

そうやってまた壱を揃えようとしているのか
赤い目二つ、赤い目四つ、赤い目八つ、ひゃく三つ
青い目五つ 青い目九つ 青い目三つ あとは無し

抉り出せ、怒れるいかさま師
滲み抜け、青い血の末代まで
目玉を抜かれ硝子玉が押し込まれ黒い闇落ちるその日まで